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管理栄養士ブログ【第四回】

2017.12.25

もう気づけば年末ですね。
前回、食べ過ぎに注意しましょう というお話をしましたが、みなさん意識して外食を楽しめましたか??
私も今週は4日も外食でしたので【野菜からいろいろまんべんなく、よく噛んで食べよう】と意識しました!
30回噛むことを意識するだけで食事時間が長くなり、食べる量も減ったなぁと感じましたよ。

そう言えば、前回の話にも繋がりますが年末恒例の忘年会はもうしましたか?
楽しい雰囲気や空気の乾燥から来る喉の渇きなど、
ついつい飲みすぎてしまう原因はいろいろあると思いますが…

みなさん、適正な飲酒量を知っていますか?
厚生労働省の示すガイドラインでは1日に純アルコール量で約20gと言われております。
(※女性や高齢者は20gより少なめが推奨されております)
純アルコール量20gと聞いてもどれくらいかわかりませんよね!
各アルコール飲料の一般的な純アルコール量は下記の通りです。

種類アルコール度数

ビール

5度500ml(中びん1本 )
日本酒15度180ml(1合)
焼酎25度約110ml(0.6合)
ウイスキー43度60ml(ダブル1杯)
ワイン14度約180ml(1/4本)
缶チューハイ5度約520ml(1.5缶)

最近ではいろいろなアルコール飲料が発売されているため
正確にアルコール量を知りたい方はこの式に当てはめてみてください!

・アルコール量(g)=お酒の量(ml)×[アルコール度数(%)÷100]×0.8(比重)

この式を覚えるのはなかなか難しいですがちょっと変わったお酒を飲むときなどに試してみると楽しいかもしれませんね!

管理栄養士としては量のほかにお酒を飲む際に、気をつけて欲しいことが3つあります。
1. 脱水症状に注意
お酒に含まれるアルコールには利尿作用があります。
お酒を飲んだ以上の水分が尿として体外に排出され、体内の水分量が減り脱水症状になりやすいです。
脱水症状にならないためにも利尿作用のない水を
アルコール1杯に対し1杯の比率で摂取する事をおすすめします!

2. 空腹状態
なにも胃に入っていない状態でお酒を飲むと胃や腸でのアルコール吸収スピードが速くなり、
肝臓にアルコールが到達するスピードも速くなります。

肝臓のアルコール分解能力を超えるスピードでアルコールを吸収してしまうと
分解されなかったアルコールが血中に溶け込みます。
その濃度が高くなると脳に影響を及ぼし、二日酔いの原因になってしまいます。
胃になにか(食べ物)が入っていれば、アルコールの吸収が緩やかになるため
少し食べてからのお酒の方が体に優しくなります。
特に脂肪分は消化に時間がかかるのでチーズやナッツを少し食べておくと良いです。

3. 栄養素への影響
人体にとって肝臓は様々な機能を担う最大の臓器で通常時の働きに加え、
お酒を飲むことでアルコールの分解も行う必要があり肝臓も働きすぎて疲れてしまいます。
その肝臓の働きの補助や偏りにより、たんぱく質・ビタミン・ミネラルが不足しがちになります。
ではなぜ不足するかというと…
・たんぱく質
 肝臓で血漿たんぱく質(アルブミン・グロブリン)が合成されていますが、
 アルコール代謝に肝臓の働きが向くため血漿たんぱく質の合成機能が弱くなり不足してしまいます。
・ビタミン・ミネラル
 多量のお酒を飲むとアルコール分解時にビタミンB1が必要になり不足してしまいます。
 不足すると疲れが取れない原因にもなり更なる機能低下につながります。

以上の影響を考えると、肝臓への負担が少ない低カロリーで
たんぱく質とビタミン・ミネラルが豊富な食品をおつまみとして摂ることをおすすめします。
例としては、枝豆や冷奴、刺身、サラダ、お浸し、焼き鳥、お鍋などがいいですね。

さて長々と話してしまいましたが今年の年末は
1:お酒を飲む前には脂肪分を含む【チーズやナッツ】を少し食べて。
2:お酒と一緒には【低カロリーでたんぱく質・ビタミン・ミネラルを含むもの】を食べて。
3:お酒を飲んだ後にはラーメンやごはんなど炭水化物を食べたくなりますが
  【オレンジジュース】で水分とビタミン・ミネラル補給を!
を心がけて健康で楽しいお酒の席にしてみては如何でしょうか?
楽しい年末年始が始まりますが食べ過ぎ飲みすぎに注意をしてまた年明けにお会いしましょう!

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